子供が無い夫婦や、一生涯独身で過ごす人の中には、年齢を重ねるにつれ、自分が亡くなった後のことが不安や心配の種になってくる人も多いでしょう。特にお墓について言えば、管理や維持をしてくれる身内がいなければ、いずれは無縁仏になってしまうので、問題は深刻です。そういう人たちに人気が出てきているのが、永代供養と言われるものです。一口で永代供養と言っても、さまざまな形態があります。

海や山に散骨する自然葬もその一つです。海に散骨する葬儀のことを海洋葬と言いますが、これは主に故人の希望や遺志で行われることが多く、生前海が好きだったとか、死んだ後は自然に還りたいと望む人などにも受け入れられています。海に遺骨を粉状にして撒くことにより、有形の墓は必要ないため、維持費もかかりませんし、今後の管理について煩わされることもありません。樹木葬もこれと似た形態の新しい形の葬儀です。

こちらは海ではなく、山などで、共同と個人では場所は違いますが、散骨した上に樹木を植えるなど、墓石のない墓という点では海洋葬と同じです。また、これらは他人と共同でする場合が多く、形としては共同墓地の意味合いが強いのが特徴です。近年、核家族化が進み、子供や孫たちも都会を離れ、仕事などの事情で帰ってこられないという家もこれらの形態を選ぶことが増えてきています。永代供養はしかし、霊園の倒産や寺院の廃寺などがあれば「永代」ではなくなることをどこかで忘れてはいけません。